2010年9月9日木曜日

EV1という先駆者

これまた、いまから、10年以上前……現在は国家の管理下に収まった後、ようやく復活したかに見えるGMですが、まだ彼らが世界ナンバーワンメーカーに君臨していた頃の話です。
 アメリカ・カリフォルニア州のCARB(大気保全委員会)は、大気汚染の悪化を防ぐための法律、いわゆるZEV規制を1998年を目途に施行すべく動き始めていました、対象となるのはビッグスリー+日本メーカーなど合わせて7社。詳細は省きますが、実質的に排ガスを出さない電気自動車をわずかでも必ず販売せよという法律です。これによって登場することになったのが、GMの電気自動車「EV1」というわけです。このクルマ、1990年にGMが発表したコンセプトEV「インパクト」の中身をもち、同時期にGMの野心が生み出した「サターン」などにもスタイリングのコンセプトが受け継がれていました。しかし、このEV1、誕生するのがあまりにも早すぎたのかもしれません。EV1の実車を見たのは1998年のデトロイト・ショーでしたが、未来のクルマへの期待に胸躍らせたものです。ですが、EV1は総計約1000台生産されたのち、自動車業界の表舞台から消え去る運命にありました。このクルマがもし、どのような形でも生き残っていたら、現在の電気自動車の在りようは変わっていたかもしれません……。(続く)

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